はじまり
そもそも原子核パスタって何?
確かにそうですねぇ・・・。
パスタ?
Satisfactoryでは、「Nuclear Pasta」、「原子核パスタ」なる製品が軌道エレベーターの納品物として登場します。(※この画像の原子核パスタのレシピは、Modのおかげでおかしなことになっています。ご放念下さい。)
この原子核パスタとは、そもそもどういう物質なのか?
そこらへんを調べたのでまとめていきます。
原子核パスタは中性子星で生まれる
まず「原子核パスタ」または「核パスタ」とも呼ばれますが、この物質は「宇宙上で最も強い物質」と言われています。(実際に入手したわけではないようなので、理論上最も強いらしい。)
そしてそんな原子核パスタは「中性子星」という極限的な環境下で生成されるらしいです。
中性子星を作る超新星爆発
「中性子星」とは、「超新星爆発」によって誕生した非常に高密度な天体のことです。
この「超新星爆発」とはどのような現象かというと、水素の核融合反応が起きている「主系列星」という天体の内、質量がデカイ類のヤツが自身の質量を支えきれなくなって重力収縮します。そして、その崩壊が止まった際に衝撃波によって星の外側が吹き飛ぶ現象のことを「超新星爆発」と言うみたいです。
つまり、ひたすら沢山太って、自分の体内で物質を消化し切れなくなって、爆発するということですか!? 怖いですね・・・
怖すぎる・・・。
つまり超新星爆発とは、クソデカい火薬が爆発するってことですね。ちなみに超新星爆発が起きるのは、太陽の8倍以上の質量を持つようなクソデカい天体がある時みたいです。
そして、超新星爆発は、「太陽ほどの大きさの物体をモントリオールほどの大きさに圧縮する爆発」らしいです。
ここで、モントリオールの面積は4,604.26km2でつまり直径は76km、太陽の直径は1,392,000kmとすると、1,391,924kmの距離を圧縮する爆発ということでしょうか。この距離は、80年間1日も休まずに47.6km歩き続けないと到達することが出来ない距離です。途方もない・・・。
いや、こんなものじゃない。
そして、超新星爆発を起こすために一体どれぐらいのエネルギーが必要なのかを考えてみましょうか。
この天体を太陽レベルのものとして仮定すると、この天体には5.45E+32ニュートンの力が必要となり、その力で、太陽をモントリオールの長さにするには、7.59E+38ジュールのエネルギーが必要。さらに、そのエネルギーは2.7308E+45キロワット時に相当します。
この数値がどれぐらいなのでしょう。
例えば、スイスとフランスに跨って建造された「大型ハドロン衝突型加速器」というバカでかいエネルギーを生み出せる施設があります。そいつが生み出せるエネルギーが13兆電子ボルト(13TeV)らしく、このエネルギーは2.92102E+38キロワット時に相当します。
つまり、超新星爆発を起こすためには、地球上で有数のバカデカエネルギー施設が、9,348,793台必要ということですね。(935万台!? 途方もない・・・。)
いや、こんなものじゃない。
いや、こんなものでもない。
また、超新星爆発が起きると、こんな感じの風景になるようです。実際に起きている現象とは裏腹にとてもキレイですね。
ちなみに、超新星爆発が起きた時の写真はWikipediaに載っています。実際にNASAのスピッツァー宇宙望遠鏡、ハッブル宇宙望遠鏡およびチャンドラX線天文台で撮影された画像を合成したものらしいです。
トンデモ重力でプレスされた中性子星
そして超新星爆発が起きて、その爆発の後に中性子を多く含んだコア、すなわち原子核の塊が残ってそれが「中性子星」となります。これほどデカい力が発生する爆発なので、その爆発で吹き飛んだ分だけ再びデカい力で物質などが戻って来ようとするわけですね。
その中性子星の巨大な重力によって外層は固体に凍りつき、液体の中心核を薄い地殻が包んでいる地球のような状態になるようです。
この中性子星は、「地球上のどんなものよりも100兆倍も密度が高い」天体だそうです。つまり、外層がとんでもない硬さを誇っているということですね。メチャクチャ硬いゆで卵みたいなイメージでしょうか。ヒビを入れることすら不可能でしょう。
原子核パスタ
「地球上のどんなものよりも100兆倍も密度が高い」天体を構成する物質こそが「原子核パスタ」です。
この物質は、原子核が溶けて、物質内に一様に分布した核子 (陽子、中性子)の間に働く「核力」による引力と、陽子間に働く「クーロン力」による斥力との釣り合いによって具現する、複雑な原子核によって構成されています。
そして、その物質の原子構造が以下のように色々とカテゴリ分け出来るようです。
黄色の部分が原子核で、密度が高くなると (a)→(g) へと変化していきます。
密度が変化することで、パスタによって電子などの粒子がどのように動くかで、これらの構造に変化が生まれます。
地殻の下では、陽子と中性子の競合する力によって、長い円筒形や平面のような形に組み立てられて、これらは「ニョッキ 」や「スパゲッティ」として知られており、そのため「原子核パスタ」という名前が付けられているようです。2種類がパスタだから原子核パスタなんですね。
段階 | 状態 |
---|---|
a | ニョッキ |
b | スパゲッティ |
c | ワッフル |
d | ラザニア |
e | 欠陥 |
f | アンチスパゲッティ |
g | アンチニョッキ |
パスタの種類
ちなみにちなみに、パスタの種類を少し並べてみましょうか。
ニョッキ
ニョッキの名前は「塊」を意味するゲルマン語派のロンゴバルド語のknokkaが由来しているようです。(Wikipediaより。)
イタリアでは滋養のあるものや重い食べ物を木曜日に食べる習慣がある。ニョッキは結構腹に溜まる料理なので木曜日に食べることが多くなり、gnocchi Giovedì(ニョッキ・ジョヴェディ、木曜のニョッキ)と呼ばれるようになった。
後述のスパゲッティよりはマイナーですが、小麦粉やジャガイモがあれば家でも作れそうなやつです。ソース多めで食べると良いでしょう。
スパゲッティ
イタリア語の「紐」を意味するspagoが語源です。(Wikipediaより。)
一般には断面が円形で太さ1.6mm~1.9mm前後の棒状のものが「スパゲッティ」に該当するようです。数あるパスタの中でもオーソドックスな部類でトマトソースやオイルにも上手く和えられますよね。
マッケローニ
画像はペンネです。(Dalleだと、いくらマカロニとプロンプトしてもペンネになってしまう。)
直径が3mm~5mmほどの円筒状のショートパスタ。マカロニ(macaroni)は英語名である。(Wikipediaより。)
ホワイトソースのグラタンと一緒に食べるマッケローニ、個人的にかなり好きな部類です。
フジッリ
螺旋状の形をしたショートパスタ。語源であるfusoはイタリア語で紡錘(糸を紡ぐ道具)と言う意味。と言われていたり、ライフル銃を意味するイタリア語: fusileが語源だったりと、諸説あるそうです(Wikipediaより。)
コイツは、個人的にどこからどう見てもソースが絡みつきそうな見た目をしているので、パスタの満足感をとても高められそう。
ブラックホールによるスパゲッティ化現象
余談ですが、超新星爆発が起こると、ブラックホールが生成されることもたまにあるようです。
しかし、恒星が超新星爆発を起こす際、太陽の30倍以上の質量の恒星でないと、重力崩壊が進行しないため、ブラックホールにはならないらしいです。なので、太陽の8倍ぐらいの質量を持つ天体であり、かつ近接連星系の白色矮星である場合に超新星爆発を起こすと、ブラックホールが出現することがあるのかもしれません。
そして、そのブラックホールによって、非常に強く不均一な重力場によって、物体が垂直方向への引き延ばしおよび水平方向の圧縮を受け、物体が細長い形状になる現象が起きます。
その現象のことを、スパゲッティ化現象 (スパゲッティかげんしょう、spaghettification)、もしくはヌードル効果(ヌードルこうか、noodle effect)と呼ぶそうです。スパゲッティのように細長い形状になる現象だからのようです。
(画像はWikipediaより)
スティーブン・ホーキング博士は、ブラックホールの事象の地平面を通過する際の架空の宇宙飛行士の様子について「頭からつま先までの重力勾配 (掛かる重力の強さの違い) により ”スパゲッティのように引き延ばされる”」と表現していたようです。
つまり、そのブラックホール周辺に人間が立ち入ると、スンゴク身体が引き伸ばされるということですね。
いや、もっと高くなるんでしょうね。
まとめ
原子核パスタに関する記事を書きました。以下まとめです。
- 原子核パスタとは中性子星を構成する物質である。
- 超新星爆発によって中性子星が形成される。
- 超新星爆発は、食べ過ぎて身体が破裂するような現象である。
- 超新星爆発を起こすには、超大型ハドロン衝突型加速器が900万台以上必要である。
- パスタの形状と種類(ニョッキ、スパゲッティ、マッケローニ、フジッリ、どれも美味しい。)
- ブラックホールによって、スパゲッティ化現象が起こることがある。
少しでも原子核パスタのことを知っていたらフェーズ4が楽しくなるかもしれませんね!
参考文献
- Nuclear pasta, the hardest known substance in the universe | Newsroom – McGill University
- 宇宙一硬い物質は激レア素材の「核パスタ」! | ギズモード・ジャパン
- 中性子星の中にパスタ?|Physics Lab. 2023 宇宙班|東京大学・・・PDFです。
おしまい
そんな感じか~
本当にパスタだったわ。
以上になります!
コメント